天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない

02憧れが恋に変わるとき

憧れていた子の料理は、動画のときより、はるかにレベルアップしていた。

でも、料理の盛り付けに無頓着なだけでなく、輪ゴムで髪を結んでしまうような雑な子だった。

それなのに、なぜかがっかりすることはない。

逆に、兄ちゃんと仲良く話している姿を見ると、妙にイライラする。

最初は、兄ちゃんを取られそうだからかなって思ってたのに、どうやら違うっぽい。

中間テスト前の土日。

日課になっている、喫茶マリーのプランターへ水やりに行った。

帰りは、体力作りのために、少し遠回りをして走る。

腕だけじゃない、しっかり体を鍛えて、杏の負担を減らしたい。

公園を抜けて図書館の前を通ったとき、マリーゴールドが咲いているような気がした。

杏がいる。



「あれ、律くん」

「なにしてるの……」



胸に、大量に本の入ったエコバッグを抱えている。

中間テストの勉強?
< 65 / 114 >

この作品をシェア

pagetop