天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
受け取ってもいいものなの?



「あげる」

「あ、ありがとう」



春くんからもらったシュシュを一旦テーブルの上に置いて、律くんがくれた袋を開ける。

中に入っていたのは、濃紺(のうこん)地に、黄色とオレンジ色の小さな水玉模様のシュシュ。



「あっ、こっちもマリーゴールドみたいで、かわいいね」



今まで、髪飾りとかに興味はなかったけど、二つともかわいい。



「春くん、律くん、ありがとう。大事にするね」



お礼を言って、それぞれをていねいに元の袋に戻し、バッグにしまった。

お返しを買いたいなあ。何にしよう。



「つけないの?」

「つけてよ」



二人が、急に慌てた声になる。

どうしたんだろう。



「大事だから」

「「え?」」

「汚さないように、宝物箱に入れとくね」



私の性格を知り尽くしているお父さんが、宝物をしまうために、衣装ケースを何個も買ってくれている。

保管場所はバッチリだ。



「使えよ」

「使って欲しいな」

「えー、汚れたらもったいない。こんなにかわいいんだよ?」



二人と意見が合わないなあ。



「「汚れたら、またプレゼントするから」」

「それは、申し訳ないからいいよ。さっ、メニュー決めよう!」



バッグの中から、百均で買った黒いゴムを取り出して、髪を結んだ。
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