天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
ゆで卵をつぶしてマヨネーズで和えた関東風と、厚焼き卵の関西風。

わかるよ、この論争は決着がつかないよね。

私も選べない。



「どっちもおいしいよね。両方作るよ!」

「「……ありがとう」」

「じゃあ、材料買ってくるね」



ものすごく食べたくなってしまった。



「今日はいい」

「また今度で……」

「そう?」



私の口の中は、すっかりサンドイッチの味になっている。

お父さんは足りないって言いそうだけど、今日の我が家の晩ご飯にしようかな。



「他にも、杏ちゃんにお願いがあって」



二人が急に改まって言いだして、ちょっと身構えた。

どうやら、お願いごとがあるのは律くんっぽい。

切り出しにくいから、春くんが話のきっかけを作ってくれたようだ。



「杏のお母さんと話したい」
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