天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「なんで?」

「盛り付けのことを教えてもらいたい。あのSNSの盛り付け、何度見返しても、すごい」



たしかに。

お母さんはお皿の選び方からして上手だもん。



「言っとくね」



中国だから、日本との時差は1時間。

予定を合わせるのは、そんなに難しくない。



「ありがとう」

「そういえば、杏ちゃんのお母さんって、中国でどんなお仕事をしてるの?」

「『すしざうるす』で働いてる」



お母さんが入社したときは、国内に数店舗あるようなお寿司屋さんだった。

でも、いまや外国にまでお店がある。



「俺、好き」

「おいしいよね」



ちょっとお高いけど、おいしいのはもちろん、大人も子供も楽しめるエンタメ系のお店だ。



「お寿司職人をされてるの?」

「ううん、広報」



中国での店舗数を増やすために、広告宣伝とかを担当しているらしい。



「……前に、あの料理動画がきっかけで、お母さんが転職したって言ってたけど」
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