天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
横に座る律くんと目が合った。

二人でうなずく。

律くんは、春くんの手からスマホを奪って、春くんの写真を撮った。



「これをアップしたら、兄ちゃんの悩みは解決する」



私も相槌(あいづち)を打つ。

同意しかない。

春くんのアカウントが伸びたのは、たまに載せてる自分の写真のおかげだよね。

かっこいいって、すごいな。



「……そうだったんだ」



春くんは、律くんからスマホを受け取ると、自分の過去の投稿を見返している。



「解決か……でも、それは嫌だな。これはマリーのアカウントだから。純粋に、マリーに興味を持って、来てもらいたい」



マリーに対する思いの強さを改めて感じる。

三人でしんみりして、しばらく黙り込む。



「削除完了」

「「えっ?」」



突然、真っ白な画面を見せられた。



「俺のアカウント消した。また始めるとしても、もう自分の写真は載せない。俺だけじゃないな。プライバシーをちゃんと守る。杏ちゃんのお母さんみたいに」



春くん、思い切りがよすぎない?
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