天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
そのやり取りをしている間に、律くんの背で扉が閉まった。

ふと気づく。



「背、伸びた?」



初めて出会った頃は、私より低い位置にあった目が、同じ位置にある。



「成長期だし」

「……そっか」



そのうち追い抜かれるんだろうな。

それはちょっと寂しいような気もする。

地下鉄なので、駅を出発すると車窓が暗くなる。

しばらく無言で、窓の外を見てすごした。

そして、ようやく次の駅のホームに入る。



「今度こそ、じゃあね」

「送る」

「えっ、いいよ」

「座ろ」



腕をつかまれて、空いてる席まで連れていかれた。

あれ、ほんの少しだけど手も大きくなってる?

指や爪の感じとか。



「律くん、どうしたの?」
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