天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「……それは、私が変だから?」

「まあ、それもあるけど」

「ひどっ」



どきどきを返してくれ。



「でも、ずっとそばにいたい」

「え……」



目がそらせなかった。

いつもちょっとぶっきらぼうな「年下の子」が、急に男の子に見えた。



「それでさ、こんな感じの盛り付けにしたいんだけど、どう思う?」

「えっ、あっ、うんっ、そうだね」



急にマリーの話に戻り、我に返った。

気持ちを入れ替えて、オムライスに絵を描く位置とか、どういうお皿にするかを打ち合わせしていく。

距離が近くて、ちらりと見ると、春くんと同じきれいな顔。

そういえば莉子ちゃんが「未来の王子様」って言ってたな。

きっと律くんも、ものすごくかっこよくなる気がする。

電車が若葉台駅に到着して、二人でホームに降りた。

中央公園前駅行きの電車が来るまでホームで待とうと思っていたのに、私のマンションのエントランスまで送られてしまった。
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