天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
手にしたのは、ドット入りの丸いプラスチック製のコースター。

5色入ってるけど、オレンジ色のは、マリーゴールドみたいだ。



「かわいいね。……でも、1袋に入ってる量が少ないな」

「これは?」



律くんが指差したのは、生成(きな)りの丸い紙製コースター。

無地だからたくさん入っている。



「予算的には、これが理想。でも、味気ないよな」



三人でしばらく悩む。



「「「……」」」



ピンとひらめいた!



「柄を描くのはどう?」

「それ、いいね」

「……美術3」



私の提案に、春くんは即賛同してくれたけど、律くんが静かにつっこみを入れてくる。

真実だけど。



「こんな感じの水玉模様だったらいけるって」

「デザインは、俺が考えようかなあ」

「春くんまで、なんかひどくない?」



三人でぎゃーぎゃー言い合いながら、筆記具の棚に向かう。

たくさんのマーカーが並ぶ中、全員が同じ色に手を伸ばした。

ちょっとくすんだオレンジ色。

考えていたことが同じで、顔を見合わせて笑った。
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