天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「杏の分は、俺がする」

「悪いからいいよ」

「杏ちゃんは、ちょっと別の打ち合わせさせて」



二人にものすごく気をつかわれている感がある。

でも、コースターのデコ作業は、我ながら戦力外な気がするので、春くんの話に乗った。



「あれから俺もスーパーのことを調べて、どこで材料を買うかはほぼ決めたよ」

「ありがとう!」

「お礼を言うのはこっち。それでね、そろそろ必要な分量を決めていきたいなって考えてる」



大量調理の本を読んで、私も考えていた話だ。



「席が20。4回転させるとして80食限定でどうかな?」

「80? そんなお客さん来てくれるかな」

「来てもらうようにする。杏ちゃんのお母さんにSNSの使い方を教えてもらって、いい反応が返ってきてるし」



お母さんとビデオ通話で話したのは1週間ほど前だ。

それでここまで動けるって、本当にすごいな。



「80って、杏は大丈夫?」
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