天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「そんなに作ったことはないけど、多分私は大丈夫。問題は律くんの腕じゃない?」



打ち合わせをした結果、卵の上にご飯を乗せる段階からが律くんの仕事になった。

その後のフライパンをひっくり返す作業が一番腕にくる。



「当日までに鍛えるから問題ない」

「そんなに成果が出るもんなの?」

「問題ない!」



少しむっとした顔が返ってきた。



「律は大丈夫だよ。家に帰ったら、ダンベル握ってるか、フライパン握ってるかだから」

「ありがとう」



お礼を言ったのに、ぷいっと顔を背けられてしまった。



「じゃあ、80食でこれから準備を進めさせてもらうね。杏ちゃんには、10食分で材料や調味料がどれくらい必要か、出して欲しいんだ。大変だから、俺も一緒にするよ」

「料理の相棒は俺だから、俺が一緒にする」



二人とも優しいな。

うん、その作業、ものすごく大変だった。

でも……。

私はにんまり笑う。
< 91 / 122 >

この作品をシェア

pagetop