天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「おおっ、春斗が着たら、男子校のメイド喫茶みたいでいいじゃない」

「杏は、持ってきたエプロンを着て」



久保田兄弟の連携プレーにより、回避できた。

ありがたい。

でも、赤いエプロンを着た春くんを直視できない。

おもしろいのに、かっこいい。

「恥ずかしいから見ないで」

「写真撮っていい?」

「一緒に写ってくれるなら」



バッグからスマホを出して、写真撮影をしようとすると、千晶さんがにやにやと笑う。



「律~、のけ者感あって寂しいわね」

「……そんなことないし」

「千晶さまにはお見通しよ」

「違うし」

「そんな口をきいてもいいのかな?」



千晶さんは、自分のバッグの中から、何やら取り出した。



「ほーら、色違いでピンクもあるよ!」

「着ないっ!」

「あの写真に混ざりたくない?」
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