亀を助けたら竜宮城に招待(誘拐)されましたが、私は今幸せです。
「さて、七海さん、喉が渇いたでしょう。こちらをお飲みください」
透明な色の液体が入ったグラスを渡された七海は、見知らぬひとから渡された飲み物を飲むほど馬鹿ではない。
「……失礼ですが、あなたが先に飲んでくれますか?」
毒味させようとしたのが分かったのか、美しいひとは七海からグラスを受け取ると、ぐいと煽った。喉が動いたことを確認した七海は再びグラスを受け取る。これでは間接キスになってしまうが、それが気にならないほどに喉が渇いていた。
「これで納得いただけましたか?」
目の前で毒見をしてくれた美しいひとは淡く微笑んだ。
何もなさそうなので、喉が渇いていた七海はグラスの飲み物を口に含んだ。
それは何の変哲もないただの水だったので、疑って申し訳なく思った七海は小さく「すみません」と言葉にした。
「いいえ、気にしておりませんから。申し遅れました、私はこの竜宮城の主、乙葉と申します」
竜宮城に乙姫? ここは浦島太郎の世界なのだろうか?
だが、美しいひとは乙葉と名乗った。七海の聞き間違いだろうか。
「乙姫?」
「いいえ、乙葉です」
どうやら本当に乙葉というらしい。
「その、男性で合ってますか……?」
「はい、私は男です。占い師の言った通りでした、私の家臣を助けてくれた者が妻になるべく陸からやってくると……」
「妻!?」
「はい、妻です」
「ちょっと待ってください。私は元の世界に帰るので、あなたの妻にはなれません! そもそも初対面のひとと結婚もできません!」
「ああ、それなら問題ありません」
「なにが問題ないんですか」
「だって、七海さんは陸にはもう上がれませんから」
乙葉はにっこりと微笑んで七海を見つめた。海のように青い瞳は、嘘をついているように思えない。
透明な色の液体が入ったグラスを渡された七海は、見知らぬひとから渡された飲み物を飲むほど馬鹿ではない。
「……失礼ですが、あなたが先に飲んでくれますか?」
毒味させようとしたのが分かったのか、美しいひとは七海からグラスを受け取ると、ぐいと煽った。喉が動いたことを確認した七海は再びグラスを受け取る。これでは間接キスになってしまうが、それが気にならないほどに喉が渇いていた。
「これで納得いただけましたか?」
目の前で毒見をしてくれた美しいひとは淡く微笑んだ。
何もなさそうなので、喉が渇いていた七海はグラスの飲み物を口に含んだ。
それは何の変哲もないただの水だったので、疑って申し訳なく思った七海は小さく「すみません」と言葉にした。
「いいえ、気にしておりませんから。申し遅れました、私はこの竜宮城の主、乙葉と申します」
竜宮城に乙姫? ここは浦島太郎の世界なのだろうか?
だが、美しいひとは乙葉と名乗った。七海の聞き間違いだろうか。
「乙姫?」
「いいえ、乙葉です」
どうやら本当に乙葉というらしい。
「その、男性で合ってますか……?」
「はい、私は男です。占い師の言った通りでした、私の家臣を助けてくれた者が妻になるべく陸からやってくると……」
「妻!?」
「はい、妻です」
「ちょっと待ってください。私は元の世界に帰るので、あなたの妻にはなれません! そもそも初対面のひとと結婚もできません!」
「ああ、それなら問題ありません」
「なにが問題ないんですか」
「だって、七海さんは陸にはもう上がれませんから」
乙葉はにっこりと微笑んで七海を見つめた。海のように青い瞳は、嘘をついているように思えない。