「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
凛の瞳にあるのは、桐生に対する個人的な好意でも、権力への恐れでもない。

ただひたすらに「命と向き合う医療従事者としての誇り」だけだった。

凛は桐生がどんなに男としての色気を振りまこうと、櫻井凛を特別扱いをしようと、その全てを「完璧な正論」という名の鉄壁の楯で軽やかに弾き返してしまうのだ。

​最初に試みたのは、凛の連日の過酷なシフトを気遣った差し入れだった。

​心臓血管外科の夜勤は凄惨を極める。

急変する患者のモニタリング、緊急オペの準備、分刻みのバイタルチェック。

新人の凛が不慣れな中で健気に立ち回っているのを見て、桐生は居ても立ってもいられなくなったのだ。

​自分の行きつけの超一級レストランのシェフに無理を言い、特別に用意させた特製の高級フレンチのケータリング。

極上のローストビーフやトリュフのコンソメスープ、厳選されたオーガニックのスープなど、疲れた身体を甘く癒やすための完璧なメニューだった。

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