「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う

chapterーー2

差し入れ作戦が失敗に終わった数日後。

桐生は別の角度からアプローチを試みた。

​過酷な夜勤の合間、午前3時を回った頃だった。

桐生は凛が緊急搬送されたICU患者のバイタルチェックを終え、廊下のベンチでわずかに目を開けたまま資料を確認している姿を、目撃した。

​黒髪の隙間から覗く白い首筋、疲れから微かに重くなった瞼。どんなに気丈に振る舞っていても、22歳の新人ナースの体力には限界がある。

今にも倒れそうなほど消耗しながらも、懸命に気を張っている凛の健気な姿に、桐生の胸は締めつけられた。

愛おしさと過保護な衝動でいっぱいになった。

​桐生は足音もなく歩み寄ると、自分の着ていたあたたかいドクターコートを凛の肩にそっと羽織らせた。

​「っ……! 桐生先生……?」

​桐生は驚いて顔を上げた凛に対し、あらかじめ準備していた「指導医としての威厳」を装いながら、至近距離から低く甘い声で囁いた。

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