「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
「術後3日目のK値の微動……そこまで予兆を読み取らなければいけなかったなんて……」

​凛は思わず呟いた。

赤字の追記は、ただの指導の枠を超えていた。

もしこの指摘がなければ、今日自分が担当する患者の急変を見落としていたかもしれない。

​さらによく見ると、ページの端々に書かれた文字には、ある一貫した意図が存在していた。

​『君ならこのアセスメントの先にあるリスクに気づけるはずだ』

『前回の指導内容が現場で実践できていない。君の能力はこんなものではないはずだ』

厳絶な叱責の裏側に隠された、狂おしいほどの期待。そして、自分という存在を1人前の看護師として引き上げようとする、圧倒的なまでの熱量。

​(この人は……ただ私を追い詰めたいわけではない。副医局長としての膨大な業務の合間を縫って、私の拙いレポート1枚に、これだけの時間と情熱を注いでくれている……)

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