「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
「分かればいい。……君の観察眼は新人としては悪くないが、心臓血管外科においては『悪くない』は『致命的』と同義だ。俺の手技に追従したいのなら、思考のスピードも俺と同等まで引き上げろ」

​桐生は淡々と語りながらも、デスクの下で拳を硬く握り締めていた。

​(届いているか、凛。俺の言葉が、俺の情熱が、君のその硬い防壁を少しでも揺らしているか……?)

​凛は一瞬だけ瞳を伏せ、そしてゆっくりと顔を上げた。

桐生はその澄んだ瞳に、これまでにはなかった微かな熱が宿っているのを、見逃さなかった。

​「……桐生先生」

​「何だ」

​「先生は、昨夜何時にこのフィードバックをお書きになられたのですか」

​桐生は予想外の質問に、一瞬言葉を詰まらせた。

​「……指導医が自分の時間を使って課題を添削するのは当然のことだ。君が知る必要はない」

​「ですが、この書き込みの量……最低でも2時間はかかっているはずです。昨夜、先生は緊急オペの対応もおありだったはずですが……睡眠はお取りになられたのですか」

​
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