「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
凛の言葉には、いつもの冷やかな正論だけでなかった。

1人の人間として指導医の身を案じる本物の思いやりが含まれていた。

​桐生の胸が、激しく跳ね上がった。

​(心配……しているのか?  この俺を……?)

​長年、周りから「氷の天才」「完璧なオペマシーン」と恐れられ、心配されることなど皆無だった桐生にとって、凛のその一言は胸の奥を激しく揺さぶるものだった。

​だが、ここで素直になれないのが桐生の愚かさだ。

桐生の歪んだ独占欲の表れだった。

​「……くだらないことを気にする暇があるなら、自分の体調を心配しろ。言っておくが、俺は君が倒れたら非常に迷惑する。君の体調管理も、俺の指導範囲内だ」

​冷徹な言葉で覆い隠した、必死の強がり。

凛はそんな桐生の様子をじっと見つめ、静かに深々と頭を下げた。

​「……申し訳ありませんでした。出過ぎたことを申しました。では、始業の準備に戻らせていただきます」

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