「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
「……見事だったぞ、桜井」

​「え……?」

​「俺の朝の指摘を正確に理解し、現場で患者の異変を未然に防いだ。……今日の君の観察眼は、1人前のナースとして文句のつけようがない」

​桐生からの、初めてのストレートな称賛。

いつも冷酷な叱責ばかりだった彼からの言葉に、凛の胸が深く熱く打たれた。

​「……桐生先生のご指導があったからです。先生が昨夜、時間をかけてあの赤字を書いてくださらなければ、私は佐藤さんの変化を見落としていました。……本当に、ありがとうございました」

​凛はまっすぐに桐生を見つめ、深々と頭を下げた。

​その澄んだ瞳に宿る素直な感謝と敬意。

桐生はその光に耐えかねたように、視線を一瞬だけ泳がせると、低く掠れた声で呟いた。
​
「……感謝するなど、ずるいぞ」

​「え?」

​「君がそうやって俺を真っ直ぐ見つめるたびに……俺がどれほど理性を保つのに苦しんでいるか、君は何も分かっていない――」

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