「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う

chapterーー4

その夜。

桐生は勤務を終え、タワーマンションの自室で1人、暗闇の中に佇んでいた。

​グラスに注がれたアンバー色のウイスキー。

氷がカランと音を立てて溶けていく。

リビングの窓からは帝都の眩い夜景が1面に広がっているが、桐生の心には底なしの孤独と焦燥感が広がっていた。

​「……くそっ」

​低く漏れた言葉は、静かな部屋に空しく響いた。

​昼間、処置室で見せた凛の表情。

自分に対する素直な感謝と敬意。

それらは指導医として最高の成果であったはずだ。

だが、男としての桐生蒼真の欲望は、そんなものでは到底満たされなかった。

​凛に感謝されたいわけではない。

敬意を払われたいわけでもない。

ただ1人の男として愛されたい。

凛のその誇り高い鉄壁の鎧を自分の手で解き明かし、自分なしでは生きていけないほど甘く激しく溺愛したいのだ。

​
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