「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
低く、だが何処までも優しい声がリビングの静寂に響く。

​「君が我が心臓血管外科の門を叩いたその日から、俺の時間はすべて君を中心に回り始めた。君の涙も、笑顔も、不器用な努力も、そのすべてが俺の救いだった」

​桐生はケースからリングを取り出し、凛の震える左手を取った。

​「これは、俺の独占欲の証であり……一生かけて君を愛し、守り抜くと神に誓う契約だ。――俺と結婚してくれ、凛」

​「……っ――ぁ――」

​声にならなかった。

溢れ出す涙が喉を詰まらせ、凛の視界を滲ませた。

​(私――私……!)

​言葉は何1つ紡げない。

凛はただ必死に、何度も、何度も大きく頷いた。

ポロポロと零れ落ちる大粒の涙が、凛の頬を濡らしていく。

​桐生はそんな凛の頭をそっと愛おしそうに包み込み、引き寄せて自分から額を重ねた。

​「……返事は?」

​
< 95 / 96 >

この作品をシェア

pagetop