冷徹社長はトラウマ秘書を愛で包む
「あ、ああ~」
失礼ながら腑に落ちてしまい、気の抜けた声が漏れてしまう。暁で妥協しようというのもすごい話だが、たぶんそういう女性たちは、秀麗な見た目に騙されて、ロマンティックな恋ができると期待していたに違いない。
「なんだ、その納得しましたという顔は」
「暁さん、ちょっと変な人ですもんね……」
「兄も姉もそう言うが、俺は変ではない。一体どこを指しているんだ」
不満げな声が妙に素直で、彼の兄と姉が可愛がるのもわかる気がする。暁がむくれているのに、どうにもくすくす笑いがこみ上げてきて困った。
「でも暁さんには、いっぱいいいところがありますから」
思ったままに口にして、自分の言葉にはっとする。とんでもない発言じゃなかったか、今。
目の前では暁がニヤリと口角を持ち上げていた。
「へえ、俺にはいいところがいっぱいあるのか」
「わ、忘れてください」
「嫌だ、あいにく俺は記憶力がいいんだ。忘れられない」
「い、意地が悪い……!」
「俺のいいところとやらを、紀沙の口から教えてくれと言いたいところだが」
重ねられた手に力がこめられる。大きさが全然違って、そうされると紀沙の手はすっぽりと包まれてしまう。するりと指が絡められ、乾いた肌の温もりが沁みるように伝わってきた。
「それは紀沙だけが知っていればいい。大切にしまっておいてくれ」
失礼ながら腑に落ちてしまい、気の抜けた声が漏れてしまう。暁で妥協しようというのもすごい話だが、たぶんそういう女性たちは、秀麗な見た目に騙されて、ロマンティックな恋ができると期待していたに違いない。
「なんだ、その納得しましたという顔は」
「暁さん、ちょっと変な人ですもんね……」
「兄も姉もそう言うが、俺は変ではない。一体どこを指しているんだ」
不満げな声が妙に素直で、彼の兄と姉が可愛がるのもわかる気がする。暁がむくれているのに、どうにもくすくす笑いがこみ上げてきて困った。
「でも暁さんには、いっぱいいいところがありますから」
思ったままに口にして、自分の言葉にはっとする。とんでもない発言じゃなかったか、今。
目の前では暁がニヤリと口角を持ち上げていた。
「へえ、俺にはいいところがいっぱいあるのか」
「わ、忘れてください」
「嫌だ、あいにく俺は記憶力がいいんだ。忘れられない」
「い、意地が悪い……!」
「俺のいいところとやらを、紀沙の口から教えてくれと言いたいところだが」
重ねられた手に力がこめられる。大きさが全然違って、そうされると紀沙の手はすっぽりと包まれてしまう。するりと指が絡められ、乾いた肌の温もりが沁みるように伝わってきた。
「それは紀沙だけが知っていればいい。大切にしまっておいてくれ」