『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから
葵は高校生になっても、絶対にモテるんだろうな。
中学のときのだって、告白されているところを何度も見てきたし……。
でも、本人は彼女を作る気なんてまったくなさそうだった。
「どうした?」
葵は切れ長の瞳で、私の顔を覗き込んでくる。
「う、うん。なんでもない! それじゃあ川に入ろう!」
私はハッとして、慌てて視線を逸らした。
そして、駆け足で川の前まで近づいていく。
私たちは、そっと足を入れた。
「きゃあっ! 冷たい!」
この日の最高気温は三十度で、四月とは思えない真夏のような暑さだった。
それでも、遠い山から流れてくるキリュウ川の水は氷のように冷たく、思わず声が出てしまうほどだ。
「そりゃあ、まだ冷たいだろう」
はしゃぐ私に対して、葵は呆れたように言った。
もう! 葵はいつも素っ気ない顔でそうやって言うんだから!