『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから
「いつもの帰り道を走っていたら、翠の自転車を見つけたんだよ。ただそれだけ」
「ふーん……。ねぇ、今日暑いからさ、一緒に川の中に入らない?」
そう言うと、私はさっさと靴と靴下を脱ぎ始めた。
「え……?」
葵はわずかに眉をひそめた。
そして「やれやれ」という表情を浮かべると、自転車を停め、静かに私のもとへ歩いてくる。
葵は靴下と靴を脱ぐと、ズボンの裾をひざ下まで手際よく巻き上げた。
それを見た私は、思わず目を奪われた。
——葵の足、白すぎ……。綺麗……。
私はごくりと唾を飲み込んだ。
葵は昔から肌が白く、整った顔立ちをしている。
さらりとした黒髪はいつ見ても清潔感があって、背も高い。
街を歩いていたらモデルと間違えられてもおかしくないレベルだ。
しかも頭が良くて英語も話せるし、空手だって強い。
物静かな性格もあって、中学のときは周囲から『氷の貴公子』なんて呼ばれていた。
普段からツンツンした態度で、ちょっと鼻につくんだけどね。
私はちらっと自分の足に視線を落とし、葵の肌と比べてしまう。
自分の方が全然黒いじゃん……!