『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから
自分たちが住む、マンションが見えてきた瞬間、私はふと思い出して葵に尋ねた。
「あ、そうだ。お菓子のリクエストはある?」
「いつもの」
葵はぼそっと呟く。
「え? 何? 風の音で聞こえなかった」
「いつものだって。ポテチとチョコ」
「はいはーい。いつものしょっぱいと甘いの最強コンビね」
葵は昔から、その最強コンビのお菓子が好きみたいだ。クールな見た目によらず、実はお菓子好きな葵に、私はくすっと微笑んだ。
私たちは他愛のない話を続けながら、見慣れた景色の中を走り抜けていった。