『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから
私は彼女に大切なものを渡し、「また大きくなったら会おうね」と言って別れた。
一年間の記憶が白い靄で埋め尽くされた中、あの女の子と交わした約束だけは、事故の後も忘れずに胸の中に残っていた。
「葵、でもさ……。おかしいと思われても、私、その子との約束を果たしたいんだ」
「翠のそういう気持ちは、大切にした方がいいよ。待ち続けるのって、意外と簡単じゃないし」
「葵、たまに良いこと言うなー……ってあー!」
『ズドーン!!』
「うわー! 負けた……。もう! 葵が急に話しかけてくるからだよ!」
「え? 話しかけられたからってゲームに負けるのはちょっと違うだろ?」
葵の言葉に、私は頬を思いっきり膨らませる。
「ふん! 葵の好きなチョコ、食べちゃうもんね!」
私は皿に並べられたチョコレートをいくつか摘み上げた。