『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから

「どうぞ。別に俺の菓子じゃないし。それより……顔、フグみたいだよ」
 

葵は私の顔を見ると、ふっと小さく微笑んだ。

葵の笑った顔は、いつも優しい。
 

「……学校でも、そうやって笑えばいいのに」

 
「なんで?」
 

「今みたいに笑えば絶対にもっと人気出るのに。だって葵、中学のときも一匹狼な感じで、全然笑わなくてどこか寂しそうだったもん。葵は性格いいのにさ……。ときどきムカツクときもあるけど」
 

私は視線を落とすと、ぽりぽりとポテトチップスを口の中に運んだ。
 

「最後のムカツクは余計だな」


葵は呆れたように息を吐く。
 
< 21 / 27 >

この作品をシェア

pagetop