『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから

「俺は友達が欲しいとか、人気者になりたいとか、まったく思ってないんだ」
 
「そうなの? でも、友達がたくさんできたら楽しいよ?」
 
「翠はそうだろうね。でも俺は、学校に楽しさなんて求めてないからさ……」
 
「そっか……。まぁ葵は、空手が一番の楽しみだもんね! さすが空手オタク!」
 

私はそう言うと、葵に向かって右ストレートのパンチを繰り出す。
 
パシッ!
 
けれど、そのパンチは葵の手によって易々と掴まれてしまった。
 
「う……くそ……」
 
私はぎろりと目つきを鋭くして、葵を見つめる。
 

「残念でした。君のやることは全てお見通しです」

葵が私を見下ろすようにニヤリと口を歪めた、次の瞬間だった。
< 22 / 27 >

この作品をシェア

pagetop