『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから
私は急いで荷物を鞄に詰め込むと、リビングにいた葵ママに声をかけた。
「葵ママ、お邪魔しました! 帰りますね」
「翠ちゃん、遊びに来てくれてありがとね。ほら、寧々も翠ちゃんにバイバイは?」
寧々ちゃんは小さな手で「ばいばい」と手を振ると、よたよたと葵ママの足元にしがみついた。
「そうだ、葵ちゃん。お母さん今から班長会の集まりがあるから、寧々を見ててくれない?」
葵ママにかけられた言葉に、葵は一瞬だけ表情を曇らせ、不満そうに「わかった……」と答える。
「葵ちゃんだって〜」
私はぷぷっと口を押さえて笑い出した。
「うるさい」
葵は小さくため息をつくと、くるりと背を向けてその場から離れていく。どうやら自分の部屋へ避難するみたいだ。
「じゃあね〜、葵ちゃん! また明日!」
私はからかうようにそう声をかけると、玄関の扉をそっと閉めた。