『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから
「それとも母さんは、まだ俺のことをそんな風に見ているの? もう、妹の寧々がいるんだからいいだろ?」
「そ……そうね……。母さんが悪かったわ……」
「もういいよ」
「葵……ごめんね。次からはもうそうやって呼ばないから……。寧々がリビングにいるから、せめて様子だけでも見に行ってね」
母は静かにその場から離れると、玄関の扉を閉め、足早に班長会へと向かっていった。
翠がいたときまで賑やかだった俺の部屋は、一気に静かになった。
パタ、パタ、パタ……。
「にぃに、にぃに……」
リビングから歩いてきた寧々が、俺の部屋に入ってきた。
「寧々……どうした?」
「ん! ん!」
寧々は俺の机の引き出しを指さす。俺の色鉛筆を使って絵を描くのが好きらしい。