『Sign』—君との約束はいつまでも色褪せないから

「おーい、私、高校生になったよ。大きくなったら会おうねって約束したのに、まだ会えないのー?」


優しく吹き抜けた風によって、私のポニーテールが小さく揺れた。
 
揺れた髪に気を取られたとき、不意に水面が波打ち、きらりと光った。


次の瞬間――。


キキキー。

背後から、自転車の急ブレーキ音が響いた。


私は勢いよく振り向くと、声を張り上げた。


「葵―!」


そこには、私と同い年の少年——
泉川 葵(いずみかわ あおい)が立っていた。


葵とは中学からの友達で、私が暮らすマンションの隣の部屋に住んでいる。

 
「何してるの?」


葵は相変わらず澄ました顔で訊いてくる。
 

「何してるのって、いつも通り川の様子を見に来たの。葵こそ、どうしたの?」


私は少し口を尖らせて答えた。

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