フシギ調査部!①〜七不思議一番を調査せよ!〜

第一奇

「ーーていうわけ。来年度までに部員があと一人入らなかったら、うちの部は廃部!?そんなの信じられない!!」

放課後。
夕闇が迫り、茜色の光が差し込む、旧校舎3階にある部室。
かつて『高等部3年A組』だった教室の扉をガラッと開けるなり、池山璃子(いけやまりこ)は開口一番、大声を張り上げた。

私立霞学園。
開校150年を超える歴史を持つこの学校には新築でピカピカの新校舎と、古くから使われてきた木造混じりの旧校舎が存在する。
旧校舎は璃子たちが入学する前から既に使われておらず、物置や活動実績の乏しい部活の活動場所として使われていた。

10分前、璃子は職員室に呼び出され顧問の先生から部活についての話を聞かされたのだ。

____「来年度までに1人でも部員が増えなかったらお前の部活は廃部な」と。

璃子が空中に漂う埃を撒き散らしたその宣言。
だが、パイプ椅子に深く腰掛け、文庫本を広げているクラスメイトの池田優樹(いけだゆうき)の反応は、あまりにも薄いものだった。

「ふーん。ま、そうだよな」

ページをパサリとめくる音。
池田は視線を本から上げず、まるで「明日の天気は雨らしいよ」とでも言われたかのようなトーンで返した。

「ちょっと池田!ふーんじゃないでしょ!ふーんじゃないわよ!私たちは今、愛して愛して止まない『フシギ調査部』の危機に直面しているのよ!?」

璃子はバンッと教卓を思い切り叩いて池田を見た。
だが、池田は璃子を見る気配すらない。

「他人事じゃないのよ?この部活が無くなっちゃうかもしれないの!危機感ってものが一切感じられないんだけど!」

池田は視線だけ璃子に向けた。
そして、呆れたように「ハァ」とため息をつく。

「冷静に考えてみろよ、池山」
< 2 / 22 >

この作品をシェア

pagetop