神獣の花嫁・掌篇〜秘めた想い〜
今の私は『逢里』だ。

だから、猫の眷属(けんぞく)だった『転々』としての記憶を覗いて、朗──『犬朗(けんろう)』の頑張りと報われない片思いを知るのは。

「いたたたた……」

肺の奥が痛い。苦しい。
ヤバ……急性アル中かな。私、飲み過ぎた?

お水、お水……。

冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出して、ごくごく飲み干す。

水分補給、大事。なのに……。

摂った側から涙出るとか、どういうこと?

私が今、逢里だからなのかな?
『転々』に戻れたら、きっと笑い飛ばせるのに──。

残念ながら、この想いは逢里のものだ。



      ──END──
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