神獣の花嫁・掌篇〜秘めた想い〜
「うるさい。静かにしろ、この阿呆面のお間抜けイヌ。近所迷惑でしょ」
げしっ、と、足蹴にしてやったあと、あ……またやっちゃったと我に返る。
これで昨日、フラレたのに。
もうっ……、私も前世のクセが抜けてない。
年がら年中コイツに蹴り入れまくってたせいで。
ヤダヤダヤダ……!
今生は『小柄で可愛い逢里ちゃん』で世のオトコ共を手玉に取るつもりだったのに!
こんな、前世の獣人設定こじらせた男と関わりたくなかったのに!
「転々……いやさ、逢里チャン。オレが言うのもなんだけど、ぱんつ丸見え──」
「見んなっ、ヘンタイ馬鹿犬! 現世も一生片思いの呪いにかかってろ、バーカ!」
「うわ、ひでぇ呪い。ってか、いてぇよ、転々──いや、逢里チャン? 今どっち? え? オレ、嫌われてんの??」
とかアタマの悪いこと言い始めた頃、ようやく犬貴……もとい、貴が破廉恥な駄犬を迎えに来てくれた。
「……迷惑かけたな、逢里」
「お互い苦労するよね」
「は!? なんで分かり合ってる感じなの、お前ら!?」
一人、納得いかないでいる朗を二人がかりで黙らせ、私は前世からのクサレ縁である甲斐犬共を見送った。
……やれやれ。
デカい図体の朗と違って、貴はシュッとしたイケメン兄だよね。
……あれ? 現世は血がつながってる弟なんだっけ?
絶対周りから腹違いの兄弟に思われてそう──な二人がいなくなって、静まりかえった室内。
私は、散らかった空き缶とツマミ類を片づける。
『咲耶サマと旦那の赤い糸は、俺がガッチリ玉結びにしてやんぜ!』
とか言って、主二人のために頑張ってたのに。片思いとか。
「バカじゃん……」
ぽつんとつぶやいた。
げしっ、と、足蹴にしてやったあと、あ……またやっちゃったと我に返る。
これで昨日、フラレたのに。
もうっ……、私も前世のクセが抜けてない。
年がら年中コイツに蹴り入れまくってたせいで。
ヤダヤダヤダ……!
今生は『小柄で可愛い逢里ちゃん』で世のオトコ共を手玉に取るつもりだったのに!
こんな、前世の獣人設定こじらせた男と関わりたくなかったのに!
「転々……いやさ、逢里チャン。オレが言うのもなんだけど、ぱんつ丸見え──」
「見んなっ、ヘンタイ馬鹿犬! 現世も一生片思いの呪いにかかってろ、バーカ!」
「うわ、ひでぇ呪い。ってか、いてぇよ、転々──いや、逢里チャン? 今どっち? え? オレ、嫌われてんの??」
とかアタマの悪いこと言い始めた頃、ようやく犬貴……もとい、貴が破廉恥な駄犬を迎えに来てくれた。
「……迷惑かけたな、逢里」
「お互い苦労するよね」
「は!? なんで分かり合ってる感じなの、お前ら!?」
一人、納得いかないでいる朗を二人がかりで黙らせ、私は前世からのクサレ縁である甲斐犬共を見送った。
……やれやれ。
デカい図体の朗と違って、貴はシュッとしたイケメン兄だよね。
……あれ? 現世は血がつながってる弟なんだっけ?
絶対周りから腹違いの兄弟に思われてそう──な二人がいなくなって、静まりかえった室内。
私は、散らかった空き缶とツマミ類を片づける。
『咲耶サマと旦那の赤い糸は、俺がガッチリ玉結びにしてやんぜ!』
とか言って、主二人のために頑張ってたのに。片思いとか。
「バカじゃん……」
ぽつんとつぶやいた。