義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「それは……」
「言えない相手なんだな。だいたい察しはつく」

 ルリウスは小さく息を吐き、フィーヌの目の前まで足を運んだ。そしてフィーヌの顎を強引に掴むと、鬼のような形相で見下ろす。

「いいか?お前はしてはいけないことをした。お前の父親は責任を取って爵位を返上しなければいけなくなるだろう。お前はそれだけのことをしたんだ」
「そ、そんな……!」
「ルリウス殿下!これは一体……」

 廊下からバタバタと足音がして、フィーヌの父親であるラント卿が来た。

「フィーヌ!お前、何を……!」
「お、お父様!違うの!違うの!」

 ルリウスがフィーヌから手を離すと、フィーヌはラント卿へすがるように喚く。

「何が違うんだ!お前、あれほど勝手なことをするなと言っただろう!」
「ラント卿。このことについては追って処罰を下します。フィーヌ嬢を連れてひとまずお引き取りを」
「……も、申し訳ありませんでした!」

 ラント卿は深々と頭を下げると、フルールから奪うようにしてフィーヌの腕を掴み、強引に部屋から連れ出す。

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