義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 そう言って、ルリウスは立ち上がろうとする。ハッとして、シーラはルリウスの袖口を慌てて掴んだ。

「?」
「す、すみません。あの、鳥の姿になっている時、男たちの会話で気になることがあったんです。それをルリウス様にお伝えしなきゃと思って」
「気になること?」

 立ち上がろうとしたルリウスはまたシーラの隣に腰をおろし、真剣な顔で尋ねた。

「男たちは、フィーヌ様にあの方がちょっと知恵を入れただけで、まんまとフィーヌ様はあの方の思い通りに動いてくれたと言っていました。あの方の名前は聞けなかったので、誰かはわかりません」

 誰かがフィーヌに入れ知恵をして、シーラを鳥の姿にしたということだ。フィーヌが捕まった時も、自分は騙された、自分も被害者だと言っていた。

「あの方、か……」

 シーラの話を聞いて、ルリウスは険しい顔になる。だが、すぐにシーラの両手を掴んで笑顔になる。

「あの状況でも男たちの話を聞いて情報を得ようとしてくれていたんだね。ありがとう」

 そう言って、ルリウスは両手に小さくキスをする。それから、今度こそ立ち上がった。

「黒幕についてはきちんと調べるよ。シーラはゆっくり休んでね」

 シーラの頬を優しく撫でると、ルリウスは部屋を出て行った。

 ルリウスがいなくなった部屋で、シーラはぽすん、と背面からベッドへ倒れこんだ。

(ルリウス様、なんであんなに甘いの……?キスだけであんなになっちゃうなんて恥ずかしい)

< 125 / 229 >

この作品をシェア

pagetop