義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 ルリウスはさらに瞠目し、拳をより一層強く握りしめる。拳からは、血がポタリと落ち始めていた。

(ルギオン様、どうしてそんなことを?ルリウス様は何も悪くないのに……!)

 シーラが口を開こうとした瞬間、ルギオンと目が合う。先程とは違い飲み込まれてしまいそうな恐ろしさはないが、金色の瞳はしっかりとシーラを射抜いている。

 ルリウスを避けシーラの前まで来ると、ルギオンはシーラの前に跪く。そして、シーラの片手を取り、ゆっくりとシーラを見上げた。

「この度は怖い思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。ですが、この国のためを思ってのこと。どうかお許し願いたく存じます」

 そう言って、ルギオンはシーラの手の甲へそっと口付ける。

(……!)

 シーラは驚いて目を見張る。何か返事をしなければと思うのに、何をどう言えば良いのかがわからない。口をハクハクとさせながら、シーラはただルギオンを見つめることしかできなかった。

 口の端に弧を描いて、ルギオンはゆっくりと立ち上がる。そして、王と王妃へ視線を向けた。

「それでは、俺はこれで失礼します。未来の王太子妃殿下、またお会いできる日を楽しみにしていますよ」

 シーラへそう言うと、ルギオンは部屋からいなくなった。



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