義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される

27早すぎる再会

 ルギオンが部屋から出ていくと、誰も一言も声を発すること無なくただ立ちすくんでいる。

「っ!ルリウス様、血が出ています!」

 シーラがルリウスの拳から落ちる血に気づいて慌ててルリウスの手を取ると、ハンカチを取り出してそっと手を包み込む。

「シーラ!汚れてしまう!」
「良いんです!そんなことよりも、こんなに血が……」

(痛くないわけないのに、自分のことより私のハンカチが汚れることを気にするなんて)

 シーラは悲しげにルリウスの手を優しく撫でる。
 ルリウスがそっと手を開くと、手のひらには爪痕がくっきりとついてそこから血が滲んでいた。

「ルリウス、ルギオンの言うことなんて気にしなくて良いのよ」

 王妃が慌てたように言うと、ルリウスは眉間に皺を寄せて小さく首を振る。

「でも、叔父上の言うことは間違っていない」
「ルリウス……」

 静かに王がシーラの近くまで歩いて来る。シーラが王を見上げると、王は悲しげな瞳でシーラを見つめた。

「ルギオンのしたことは許させることではない。本当にすまない」

 そう言って、王は深々とお辞儀をした。王妃も、同じようにお辞儀をする。

「そんな!頭をお上げください!確かに驚きましたが、とにかく私は無事でした。ルギオン様も謝ってくださいましたし、もうこの話は終わりにしましょう」

 ね?とシーラが眉を下げて微笑むと、王も王妃も悲しげに微笑む。

 ルリウスだけは、神妙な面持ちでシーラを見つめていた。


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