義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 シーラはそっと執務室とつながるドアを見る。もしかしたら、今朝のことをずっと気にしているのではないだろうか。

「シーラ様を鳥の姿にした黒幕が誰か、クロウリア様からお聞きしましたよ。まさか王弟殿下だったとは……」

 フルールがショックを受けたような表情で言う。

「でも、国のためにしたことだとおっしゃっていたわ。きちんと謝ってくださったし」
「それでも、シーラ様を使ったことには変わりありませんよ。それに、国王陛下も王妃殿下もうっすらわかってらっしゃったようでしたね」

(でも、やっぱりとてもショックを受けてらっしゃったわ)

 ルギオンは、王ができないやり方で自分がするだけだと言っていた。まるで悪役を自ら買って出ているかのようだ。

「……ルギオン様は、ルリウス様が私の側を離れたから私がこんな目にあったのだと言っていたわ。ルリウス様はそれをひどく気にしていた」

 爪が食い込み、血が流れるほど拳を強く握りしめていた。それほどまで、ルギオンから言われた言葉が堪えたのだろう。

「ルリウス様は王太子殿下です。忙しい方ですし、仕方ないのでは」
「私もそう思うわ。でも、ルギオン様は、国王陛下は王位を継ぐ前から王妃様の側を離れなかったと。きっとルリウス様はお義父様ができたことが自分にはできなくてショックを受けているんだと思う」

 ルリウスは何も悪くない。それなのに、ルギオンに言われたことであんなにも思い悩み、苦しんでいるのだ。

「シーラ様がルリウス様に大丈夫だ、ルリウス様のせいではないとお伝えすれば、きっとわかってもらえますよ」
「……そうね」

 明日会えたら、ルリウスに気持ちを伝えよう。ルーリウスの気持ちはルリウスにしかわからない。それでも、シーラの思いを伝えることで、ルリウスの心の辛さを和らげたい。

(どうか明日、ルリウス様とお話できますように)


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