義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「ですが、王族に限ってはそうではありません。優秀で強い命を繋いでいくため、番としての相性より家柄や血筋を重要視していた。だが、それを覆したのが兄上でした」

 ルリウスの父親である現国王は、家柄や血筋よりも番としての相性を何よりも大事にし、周囲の反対を押し切ってルリウスの母親である現王妃と結婚したのだ。

「同じ強さを持つ猛禽ではなく小さくてか弱い小鳥である姉上を、兄上は心の底から愛し、番として選んだ。当時は誰も姉上を認めようとはせず排除しようとしたけれど、兄上は姉上の側を絶対に離れず、どんなことからも守り通した」

 まるでその光景を思い出すかのようなルギオンの瞳は、キラキラと輝いている。

「昔から王家の血を絶やさないために側妃を持つのが当たり前でしたが、兄上は姉上以外の妃を認めません。二人の子供はルリウスただ一人。そんなルリウスを狙う者は多い」

 王妃は体が弱くルリウスしか産めなかったため、ルリウスがいなくなった場合、必然的に王は王妃以外と子作りをしなければならなくなる。

「万が一そうなったとしても、王はそれを拒否するでしょう。もしもその時は、継承権のある俺に王位を明け渡すと言っているが、冗談じゃない」

 鼻で笑いながら呆れたような顔でルギオンは否定するように首を振ったその時。

「シーラ!」

 名前を呼ぶ声の方へ視線を向けると、そこには切羽詰まったような顔をしたルリウスがいた。




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