義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、シーラ様はご実家であまりよくない待遇を受けていらっしゃったとお聞きします。この国での生活が大変だったとしても、きっと帰りたくても帰れないのですよね」

 さらに、もう一人の伯爵令嬢も口を開いた。

「令嬢としての所作も知識も乏しく、王太子妃としてふさわしくないと失礼なことを言う貴族たちもいるとか……それでも、ここにいるしかシーラ様には選択肢がないのですものね。お可哀そう」

 伯爵令嬢二人は、目を合わせて眉を下げ微笑む。まるでシーラを憐れんでいるかのようだ。

(……大丈夫、こういうことを言われるかもしれないとは思っていたもの。何を言われても、揺らがないようにするの)

 シーラはテーブルの下で両手を強く握り締める。

「実際、シーラ様は王太子妃としてふさわしくないと言われることをどう思われていらっしゃるのですか?」

 レディアが追い打ちをかけるように、シーラを見ながら言う。その表情からは、感情が一切見えない。シーラは一瞬目を見張り、静かに視線を逸らしてテーブルを見つめる。

 緊張と不安で心臓が張り裂けそうだ。自分の生い立ちのことも、ルリウスにふさわしくないと言われるだろうことも全て想定済みだった。それでも、やはり心臓は速くなり、血の気はひいていく。

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