義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 マーサの言葉にシーラは言いよどむ。マーサの言うことは正しいし、そうすべきなのだろうとは思う。だが、やはりルリウスの手間を取らせたくない、そもそもまだ噂でしかないことなのだから自分が頑張って気にしないようにすればいいだけなのではと思ってしまうのだ。

 シーラが神妙な顔でテーブルの上を見つめ考えていたその時。

──随分と辛気臭い顔をしているんですね。せっかくの美味しそうなお茶やお菓子が台無しだ

 シーラの頭上から声がする。視線を向けると、そこには白に茶色が所々まざった羽根を優雅に広げ滑空してくるオオタカのような鳥がいた。地面にゆっくりと降りたつと、鳥はキラキラと輝き、そこには白髪と濃い茶色の髪が混ざった金色の瞳の男性が立っていた。

「ルギオン様!」

 シーラが驚いて声を上げると、ルギオンはニッと口角をあげ、シーラの前に来ると跪く。

「お久しぶりです。お元気そうで何よりだ」

 そう言って、ルギオンはシーラの片手をそっととり、手の甲に口づけた。流れるような美しい仕草に、シーラは思わず頬を赤らめる。そんなシーラを見てルギオンは満足そうな顔をすると、シーラのいるテーブルの空席に座った。

「未来の王太子妃の表情がさっきまで暗かったようだが、マーサがいじめていたのか?」
「ルギオン様。私はいじめてなどおりませんよ。本日は公爵令嬢や伯爵令嬢たちとのお茶会の試験で、ちょうど終わったところです」

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