義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される

38ダンス

「はい、いいですよ!その調子!頭で考えずに体で覚えましょう!」

 この日、シーラは舞踏会のためのダンス練習をしていた。ダンス講師のオーゲルと一緒に音楽に合わせて踊っている。近くでは教育係のマーサ、侍女のフルールが見守っていた。

 ターンするたびに、シーラのドレスと髪の毛がふわりと靡く。最初の頃はオーゲルの足を踏んでしまわないかとひやひやしていたが、今ではそんなことも考えつかないほど体が勝手に動いている。

「素晴らしい出来ですね。これなら隣国との懇親会でも恥じることなくルリウス様と踊ることができますよ。何か月も頑張った甲斐がありましたね!」

 音楽が止まると、オーゲルはシーラから体を離し、両手を叩いて嬉しそうにほめた。

「オーゲルのおかげです。本当にダンスが上手なんですね」

 シーラがそう言うと、オーゲルは黒髪を靡かせながらえへへと頬を指でかく。

「人の姿でも上手だけど、鳥の姿でのあなたのダンスはとても素晴らしいと聞きました」

(いつか鳥の姿でのダンスも見てみたいけれど、どこで踊っているのかしら)

< 184 / 229 >

この作品をシェア

pagetop