義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 シーラの心情を察したのだろうか、オーゲルはうっ、と言葉に詰まり、マーサを見る。マーサは無表情のまま否定するように小さく首を振った。

「あはは、シーラ様にお見せしたいのはやまやまなんですが……それはちょっと、叶いそうにありませんね」
「そうだね。それは絶対に無理だ。そんなの俺が許さない」

 突然声がしたかと思うと、シーラの背後からルリウスがぬっとあらわれる。そして、シーラを後ろから抱きしめた。

「ルリウス様!?」
「お疲れ様、途中から見ていたけれど随分上達したね」

(えっ、見られていたの!?)

 突然のことにシーラが赤面すると、ルリウスはシーラを後ろから抱きしめたままオーゲルを見る。

「講師の指導が上手いのはほめる。でも、鳥の姿でのダンスは絶対に見せちゃいけない、だよね?オーゲル」
「は、はい!もちろんです!」

 何か禍々しい気を発しながら言うルリウスに、オーゲルは背筋を伸ばして大きな声で返事をする。

「あの、どうしてダメなのですか?オーゲルさんのダンスが有名なら、多くの方がダンスを見てらっしゃるということですよね?」

 シーラが不思議そうに尋ねると、ルリウスはムッとした顔になる。

「それはね、オーゲルの求愛ダンスだからだよ。人の姿でのダンスはそうならなくても、鳥の姿でのダンスは別だ。彼のダンスで魅了された者たちがたくさんいるんだよ。彼の場合は相手を一人に定めないからね」
「……えっ!?」

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