義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される

39ゲルダン国の姫君

「ルリウス様……」

 突然キスをされて驚いたシーラは、呼吸を整えながらルリウスを見上げる。そんなシーラを見て、ルリウスはシーラを強く抱きしめた。

「ああ、シーラ、可愛すぎてたまらない。気持ちが抑えられないよ」

 そう言って、ルリウスは頭をぐりぐりとシーラの肩へ押し付け、ふう、と小さく息を吐いた。

「ダンスを踊るシーラは本当に美しかった。相手はダンス講師だから仕方ないのはわかっているけど、俺以外の男と踊っている姿を見せられて辛かったし、悔しかった」
「焼きもちをやいてくださったんですか?」
「もちろんだよ。今までだって、ダンスの練習の時はずっとオーゲルと踊っていたんだろう?至近距離で手と手を取り合って……そう思っただけで胸が苦しくなる。だから」

 そう言って、ルリウスは体を離し、そっと片手を差し出す。

「一曲俺と踊っていただけませんか?オーゲルとのダンスなんて忘れるくらい、俺とのダンスで頭も体もいっぱいにしないとね」
「ふふ、ぜひお願いします」

 ルリウスの片手へシーラが嬉しそうにそっと手を乗せると、ルリウスはパチンと指を鳴らす。すると、止まっていた蓄音機が魔法で作動し、曲が流れ始めた。

 シーラの片手を掴みもう片手でシーラの腰に手を回すと、流れるように踊りだした。ルリウスは踊りながら嬉しそうにシーラだけを見つめている。

(オーゲル様がお上手だったのは当然だけれど、ルリウス様もとってもお上手だわ!)

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