義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
(やっぱり、ローゼ様はルリウス様と政略結婚のために送り込まれてきたのね)

 ローゼの言葉を聞いて、シーラは思わず両手を握り締める。そんなシーラに気づいたルリウスは、シーラの肩を強く引き寄せる。そんな二人を見てもなお、ローゼは気にすることなく言葉を続けた。

「私たちは国の駒です。お互いの国と国民のために縁を結ぶのは当然。そして、人間の国から来たよくわかりもしない令嬢より、ゲルダン国の王女の私が正妃となるのが当然のことです。ルリウス様ならよくお判りだと思いますが」

 毅然とした態度のローゼに、シーラの心は痛む。だが、ルリウスはそんなローゼを厳しい表情で見つめ口を開いた。

「君の言わんとしていることはわかった。だが、俺は君とは違う考えだ。俺は自分を国の駒だなんて思ったことは一度も無い。国を統べる立場であって、駒のひとつで収まるつもりはないよ」

 ルリウスの言葉に、ローゼの顔が一瞬こわばる。

「むしろ、自分はしょせん国の駒だと思うような相手に、王太子妃になってほしいなんて思わない。シーラは確かに人間の国の令嬢だ。でも、フォリア国の王太子妃としてふさわしい存在になれるようにと日々懸命に努力している。そんなシーラにこそ、俺は王太子妃として側にいてほしい、そう思う」

 そう言って、ルリウスは愛おしいと言わんばかりの眼差しでシーラを見つめ、シーラもそれに応えるかのような熱い視線を向ける。そんな二人を見て、ローゼは動揺し、バンは静かにローゼを見守っていた。

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