義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「ローゼ様、我々はもうここに用はありません。国へ帰りましょう」
「バン……」

 ローゼは弱弱しくバンを見ると諦めたように小さく頷き、ルリウスたちへ挨拶をしてその場から立ち去っていく。バンは近くにいたゲルダン国から来た要人たちに目くばせすると、皆慌てたようにバンの後に続いて会場から去っていった。

(ローゼ様……)

 シーラはローゼの丸くなった背中を見て胸が痛んだ。ローゼはただ自分のすべきことをしに来ただけなのに、何も成せないまま国へ帰ることになる。

(ローゼ様のお兄様が、ローゼ様にきつく当たることがないといいのだけれど……)

「ローゼ様は大丈夫でしょうか」

 ぽつり、と思わずシーラはそう口にしていた。それを聞いて、ルリウスも王も王妃も驚いてシーラを見つめる。それから、それぞれ目を合わせて微笑んだ。

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