義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 何事かとルリウスたちが声と足音の方を見ると、さっき立ち去ったばかりのローゼとバンたちが慌てたように一人の男を追いかけている。ローゼよりも濃い赤桃色の髪の男は、ルリウスとシーラを見つけて気に食わなさそうな顔で近寄って来た。

「ロゼリオ……!どうして君がここに」
「久しぶりだな、ルリウス。元々予定が合わなくて来るつもりじゃなかったんだが、予定が変わって来れるようになってね。それで遅れて来てみたが、……ローゼとの縁談を断るなんて一体どういうつもりだ?」

 ロゼリオは濃い茶色の瞳をシーラに向ける。まるで値踏みでもするかのようだ。

「この女が番(つがい)か。へえ、悪くない」
「気安く見るな」

 シーラを見てにやりと笑うロゼリオに、ルリウスは厳しい表情で視線を遮るようにシーラの前へ出る。

「お兄様、さっきも説明しましたが、ルリウス様はシーラ様を正妃に……」
「黙れ、お前は勝手にしゃべるな」

 ぴしゃり、とローゼの話を遮り、ロゼリオは冷たい視線をローゼへ向ける。ローゼは思わず怯えたように肩を揺らし、バンがローゼを庇うようにして立った。

「ロゼリオ様、あまり勝手な真似はなさらないでください」
「はっ、うるさいお目付け役が。お前はだまってローゼの側にいればいいんだよ」

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