義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 そう言ってルリウスを見ると、ルリウスは一瞬驚いたように瞠目したが、すぐに大きく頷いた。そして、ルギオンと視線が合うようにルリウスも腰を下ろす。

「叔父上、俺はまだまだ未熟です。でも、いつか叔父上が裏で身を削らなくてもいいような国にしています。だから、これからも俺たちを支え導いてください」

 ルリウスの言葉に、ルギオンは目を見張る。そして、顔を上げると困ったような嬉しいような複雑な表情で呆れたように微笑む。

「困ったな、裏で何もしなくて良くなったら俺はもう引退するしかない。でも、それならそれで余生をゆっくり過ごせていいかもしれないな」
「引退なんてさせませんよ。叔父上には表でもしっかり俺たちを支えてもらわないと」
「やれやれ、いつまでもこき使われるのか。まあ、それはそれで悪くない」

 フッとルギオンは鼻で笑うが、まんざらでもなさそうだ。そんなルギオンを見て、ルリウスもシーラも嬉しそうに笑った。


*


「我が国の第一王子であり王太子のルリウス、そしてその番(つがい)であり王太子妃であるシーラの結婚式を執り行う」

 王が壇上で声高らかに宣言すると、ルリウスとシーラは手を取り合って王の前へ続く階段を上る。

「誓いのキスを」

 王の前に立った二人へ王が静かにそう言うと、ルリウスとシーラは向かい合い、見つめ合う。

(ルリウス様と出会って、この国に来て、色々なことがあったわ)

 小鳥姿のルリウスを拾ってからここまでのことを思い出し、シーラは胸が熱くなった。義姉のキリルに酷い虐めを受けたことも、この国に来て小鳥姿に変えられて売られそうになったことも、王太子妃になるため厳しい教育に耐えてきたことも、まるではるか昔のことのように感じられる。

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