義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
(唇の感触が……柔らかくてあたたかくて不思議)

 何度もキスされているうちに息苦しくなってきて、気が付くとシーラは口を小さく開けていた。すると、ここぞとばかりにルリウスの舌がシーラの口の中へ侵入する。

(!?)

 何が起こったか一瞬分からずシーラは固まるが、お構いなしにルリウスはシーラの口の中をかき乱していく。

 そうして、ルリウスがシーラへキスをめいっぱい与えているうちに、馬車は空の中に突如現れた魔法陣の中に入っていった。

*

(ここが、フォリア国……!)

 ルリウスに何度もキスをされてヘロヘロになっているうちに、いつの間にか馬車はフォリア国へ到着していた。

 窓の外、馬車の下には見慣れない景色が広がっている。とてつもなく大きな街があり、その中心には大きく美しい城がそびえ立っていた。街の周囲、そして城の周りには薄い膜のようなものが覆っている。どうやら、守護の結界が張られているようだ。

「あれが、俺たちの住む城だよ。城に着いたら、一度城の人間に挨拶を済ませよう。大丈夫、君のことはもうみんなに伝えてあるから。そんなに身構えなくてもいいよ」

 ルリウスがシーラを安心させるように優しく体を支え、手を握る。そうは言われても、やはり他国、しかも人間ではない国だ。どうしても身構えてしまう。

(ここで、皆さんに受け入れてもらうためにも、ちゃんと挨拶しなきゃ。それに、鳥族についての知識も必要だし、ルリウスは第一王子だもの、ルリウスに見合うだけの教養も所作も身につけないといけないわよね)

「……そう言えば、ルリウス様はこの国の第一王子なんですよね」
「番になるんだから、様なんてつけなくていいよ。それに、急に敬語になってしまって悲しいな。鳥の姿の時のままで構わないのに」
「……っ、な、慣れないんです。第一王子だとわかってしまいましたし、今は、まだ、様をつけて呼ばせてください」
「うーん、そう?わかった。仕方ないな、いいよ。でも慣れたら様はなくして、また前のようにため口で話してね。それで?俺は確かに第一王子だよ」

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