義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 シーラが困ったようにそういうと、ルリウスは眉間に皺を寄せて首を振る。

「さっきも言った通り、フィーヌ嬢の父上であるラント卿が勝手にしようとしていることだ。ラント家は王家に古くから関わりのある公爵家でね、古い考えの強い貴族なんだ。それで、王家の者の番相手は有力貴族にすべきだと主張している。でも、国王も俺も古い考えではなく本人の思い、番としての結びつきを第一に考えているし、愛のない結婚で良い国が保たれるとは思っていない。そもそもフォリア国は家柄よりなにより、番としての相性を重要視する国民がほとんどなんだよ。古い考えを持つのは一部の者だけだ」

 そう言って、ルリウスはシーラの両手を優しく掴み、微笑む。

「俺の父上は母上と出会った時、どうしようもなく内側から愛が溢れて仕方がなかったそうだ。絶対に一緒になる、番として幸せにしてみせると心がずっと騒いで止まらなかったんだって。それを聞いて、俺もいつかそんな相手に出会えるといいなと思っていた。そしてシーラと出会った時、まさにそれが起こったんだ」

 ルリウスはシーラの両手にうっとりとした表情でキスをする。

「俺の番はシーラ、君だけだ。君しかいない」
「ルリウス様……」

 シーラを見つめるルーリウスの瞳は燃えるように熱く、溶けてしまいそうなほどだ。その熱のある瞳に囚われて、シーラはルリウスから視線を逸らすことができない。

 不意に、小さくパタン、と扉が閉まる音が聞こえた。気がつくとフルールとクロウリアがいない。

「二人とも、気を遣っていなくなってくれたみたいだね」

 フフッと嬉しそうにルリウスは笑う。どういうことだろうかとシーラは首を傾げたが、すぐにルリウスの唇が重なって目を見張る。そして、そのままルリウスの熱い口づけは止まることがなかった。



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